赤字決算でも融資は受けられるのか|赤字の「中身」で結論は変わる

ビジネスローン・融資
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赤字決算でも融資は受けられるのか|赤字の「中身」で結論は変わる

公開日 2026年7月13日|最終更新 2026年7月13日
監修:黒岩 智之
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年
元・地方銀行 融資審査部(9年)/相談実績1,200社超
広告(PR)|本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

この記事の結論

  • 「赤字だから借りられない」は、正しくない。審査で見られているのは、赤字かどうかではなく、赤字の「中身」である。
  • 赤字は5つの類型に分かれる。①先行投資型 ②一過性 ③構造的(営業赤字が継続している) ④粉飾の裏返し ⑤節税型。①②⑤は説明できれば通ることがあり、③は厳しく、④は致命的だ。
  • 通る赤字と通らない赤字を分ける唯一の基準は、営業キャッシュフローがプラスか。損益計算書が赤字でも、営業CFがプラスなら、事業は現金を生んでいる。ここが分岐点になる。
  • 赤字は、金融機関の債務者区分にも直結する。ただし、赤字=要注意先ではない。区分を分けるのは債務償還年数(有利子負債÷(営業利益+減価償却費))で、10年が警戒ラインだ。
  • そして、ファクタリングは売掛先の信用力を中心に審査されるため、自社が赤字でも利用できる場合がある(※各社の審査基準によります)。ただし、手数料は融資の金利より高い。使う順序を間違えないでほしい。

決算が、赤字で終わった。

税理士から決算書を受け取り、最終行の数字を見た瞬間、

「これで、もう借りられないな」

——そう思った人が、この記事を読んでいるはずだ。

その結論は、早い。

18年、中小企業の資金調達を見てきて、断言できることがある。

赤字決算で融資が通った会社を、私は何十社も知っている。

そして、黒字なのに落ちた会社も、同じくらい知っている。

審査担当者は、「赤字か黒字か」を見ているのではない。

「なぜ赤字になったのか」「その赤字は、来期も続くのか」「事業は、現金を生んでいるのか」

——これを見ている。

だから、この記事では赤字を5つに切り分ける。

①先行投資型(設備・人材への投資が原因)

②一過性(災害・大口貸倒れ・特別損失)

③構造的(営業赤字が継続している)

④粉飾の裏返し(過去の粉飾を修正した)

⑤節税型(役員報酬・保険で意図的に)

①②⑤は、説明できれば通る。

③は、厳しい。

④は、致命的だ。

そして——

この5類型を、たった1つの数字で振り分けることができる。

営業キャッシュフローが、プラスか、マイナスか。

損益計算書が赤字でも、事業が現金を生んでいるなら、話は変わる。

その計算方法から、説明資料の作り方まで、全部書く。

まだ、終わっていない。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や、投資・法務・税務に関する助言を行うものではありません。融資の可否は各金融機関・各社の審査基準により決まり、本記事は特定の審査結果を保証・予測するものではありません。融資にはいずれも審査があります。実際のご契約にあたっては、事前に各社の公式サイトおよび契約書面をご確認いただき、必要に応じて税理士・中小企業診断士等の専門家にご相談ください。掲載している数値・条件は2026年7月時点の公開情報に基づきます。

01「赤字だから無理」が、正しくない理由

まず、前提を整理する。

金融機関は、なぜ融資をするのか。

利息を得るためだ。

そして、元本が返ってこなければ、利息どころではない。

だから、審査で見ているのはたった一つ。

「この会社は、貸した金を返せるのか」

——これだけだ。

「赤字か黒字か」は、その判断材料の一つにすぎない。

しかも、かなり粗い材料だ。

なぜか。

損益計算書の当期純利益は、現金の増減と一致しない。

減価償却費は、現金が出ていかない費用だ。

売掛金は、売上に計上されているが、現金はまだ入っていない。

つまり——

赤字でも、現金が増えている会社がある。

黒字でも、現金が減っている会社がある。

後者を、黒字倒産という。

審査担当者は、このズレを知っている。

だから、損益計算書の最終行だけで判断はしない。

「なぜ赤字なのか」を分解しにいく。

その分解を、先回りしてこちらから提示できるかどうか。

これが、赤字決算の融資審査における最大の勝負どころだ。

損益計算書の利益と、現金の増減が一致しない構造 「赤字」と「現金が減る」は、別のことだ

赤字だが、現金は増えている会社 当期純利益     ▲300万円 減価償却費     +800万円 営業キャッシュフロー +500万円 → 返済原資は、ある

黒字だが、現金は減っている会社 当期純利益     +200万円 売掛金の増加    ▲600万円 営業キャッシュフロー ▲400万円 → 黒字倒産のリスク

損益計算書は「儲かったか」を示す。現金の増減は示さない。 減価償却費は現金が出ていかない費用。売掛金は売上だが、現金はまだ入っていない。

融資の返済は、利益ではなく「現金」でしかできない だから審査担当者が本当に知りたいのは、「この事業は、現金を生んでいるか」 = 営業キャッシュフローが、プラスか

図1:損益と現金のズレ。赤字でも現金が増える会社があり、黒字でも現金が減る会社(黒字倒産)があります。

02赤字を5類型に切り分ける

では、分解の道具を渡す。

赤字は、5つに分かれる。

自社の赤字がどれに当たるかを、決算書を見ながら判定してほしい。

赤字決算の5類型と、それぞれの審査上の評価 赤字は5つに分かれる ── 「中身」で結論は変わる

1 先行投資型の赤字 設備投資・人材採用・システム導入が費用として先に立った → 説明できれば、通ることがある(投資の回収計画が鍵)

2 一過性の赤字 災害・大口の貸倒れ・特別損失(除却損、訴訟和解金など) → 説明できれば、通ることがある(営業利益が黒字なら、なお良い)

3 構造的な赤字(営業赤字が継続している) 売上総利益率が崩れている。本業そのものが利益を生んでいない → 厳しい。融資より先に、収益構造の立て直しが要る

4 粉飾の裏返し(過去の粉飾を修正した) 架空売上・在庫の水増しを、あとから修正して赤字になった → 致命的。決算書の信頼そのものが失われる

5 節税型の赤字(意図的に赤字にした) 役員報酬を高く設定した/生命保険料で利益を圧縮した → 説明次第。役員報酬の一部は「実質的な利益」として見てもらえる場合がある

図2:赤字決算の5類型。①②⑤は説明できれば通ることがあり、③は厳しく、④は致命的です。

①先行投資型の赤字

設備を入れた。

人を採った。

システムを導入した。

費用が先に立ち、売上が追いつく前に期末が来た。

これが、先行投資型だ。

この赤字は、最も説明しやすい。

なぜなら、赤字の原因が「未来への支出」だからだ。

審査担当者に見せるべきは、たった1枚。

「この投資は、いつ、いくら回収するのか」

投資額。

想定される売上増。

回収までの月数。

これを数字で書いた1枚があれば、赤字の意味が反転する。

赤字は、「衰退の証拠」から「成長の準備」に変わる。

②一過性の赤字

災害で工場が止まった。

大口の取引先が倒産して、売掛金が焦げ付いた。

訴訟の和解金を払った。

今期だけの、特別な損失だ。

この場合、見るべきは「営業利益」だ。

当期純利益が赤字でも、営業利益が黒字なら、本業は利益を出している。

赤字の原因は、本業の外にある。

これを、損益計算書のどの段階で赤字に転じたかを示しながら説明する。

「営業利益は◯◯万円の黒字。特別損失◯◯万円により、当期純利益が赤字となった」

——この1行が書けるかどうかだ。

2026年上半期の企業倒産は5,335件(TDB)。

前年同期比+6.6%で、上期として12年ぶりに5,000件を超えた。

売掛金の回収難による倒産は2026年上半期で32件

前年同期の14件から+128.6%だ。

取引先の倒産による一過性の赤字は、いま実際に増えている。

これを説明できるかどうかで、評価は変わる。

③構造的な赤字(営業赤字が継続している)

ここが、最も厳しい。

営業赤字が、複数期にわたって継続している。

売上総利益率が崩れている。

つまり、本業そのものが利益を生んでいない。

——正直に書く。

この状態で融資を受けても、問題は解決しない。

借りた金は、赤字の穴埋めに消える。

そして、返済という新しい固定費だけが残る。

私が18年見てきた中で、最も多い失敗パターンがこれだ。

構造的な赤字を、借入で埋める。

翌年、また赤字になる。

また借りる。

3年で、債務償還年数が20年を超える。

そこから先は、どこも貸してくれない。

では、どうするか。

融資より先に、収益構造を立て直す。

売上総利益率がなぜ崩れたのか。

原価が上がったのか。

単価が下がったのか。

不採算の取引が混ざっているのか。

ここを直さずに借りるのは、穴の空いたバケツに水を注ぐのと同じだ。

そして、どうしても返済が回らないなら——

借りるのではなく、返済条件を変える。

リスケ(返済条件変更)の全手順|中小企業活性化協議会と405事業に、手順と、公的な支援制度(405事業:費用の3分の2補助・上限300万円)を書いた。

これは、恥ずかしいことではない。

構造的な赤字を借入で埋め続けた場合の債務償還年数の推移 構造的な赤字を借入で埋めると、3年で「貸せない会社」になる

0年 10年 20年 30年 債務償還年数

10年ライン(警戒) 20年ライン(貸せない)

8年 1期目 正常圏

12年 2期目 赤字を借入で補填

18年 3期目 また借入で補填

28年 4期目 どこも貸さない

分子(借入)が増え、分母(営業利益+減価償却費)が減り続けるから、 債務償還年数は加速度的に伸びる

図3:構造的な赤字を借入で埋め続けたモデルケース。分子が増え、分母が縮むため、債務償還年数は加速度的に伸びます。

④粉飾の裏返し(過去の粉飾を修正した)

● これは、最も重い

架空売上を計上していた。在庫を水増ししていた。
それを、あとから修正した結果、赤字になった。

このケースは、審査上、最も厳しく評価されます。
理由は、赤字そのものではありません。
「この会社の決算書は、信用できるのか」という、根本の信頼が失われるからです。

金融機関は、決算書を前提に判断します。その前提が崩れれば、判断のしようがありません。
そして、この情報は金融機関の間で共有されます。

だからこそ、粉飾に手を出してはいけません。そして、すでにあるなら、隠し続けるほど傷は深くなります。
自主的に修正し、経緯を説明し、再生計画を示すという道は残されています。中小企業活性化協議会への相談を検討してください。

⑤節税型の赤字(意図的に赤字にした)

役員報酬を高く設定した。

生命保険料で利益を圧縮した。

その結果、会社は赤字になった。

これは、説明次第だ。

金融機関は、役員報酬を「実質的な利益」として見直すことがある。

たとえば、役員報酬が年3,000万円で、会社の当期純利益が▲500万円だとする。

審査担当者はこう考える。

「役員報酬を1,000万円に下げれば、2,000万円の利益が出る。つまり、実質的には1,500万円の黒字だ」

——ここまで見てくれる。

ただし、条件がある。

「いざとなれば役員報酬を下げられる」という説明が、説得力を持つこと。

そして、その意思があると伝わること。

節税のために赤字にしておいて、融資のときだけ「実質は黒字です」と言うのは、通らない。

節税と資金調達は、トレードオフだ。

両取りはできない。

03通る赤字と、通らない赤字

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類型 赤字の原因 営業利益 営業CF 審査上の評価 必要な説明
①先行投資型 設備投資・人材採用・システム導入 赤字のことも プラスのことが多い 説明できれば通ることがある 投資の回収計画(いつ・いくら回収するか)
②一過性 災害・大口貸倒れ・特別損失 黒字のことが多い プラスのことが多い 説明できれば通ることがある 損失の内訳と、再発しない根拠
③構造的 営業赤字が継続。売上総利益率が崩れている 赤字(継続) マイナスのことが多い 厳しい 収益構造の立て直し計画(融資より先に)
④粉飾の裏返し 過去の粉飾を修正した 致命的(決算書の信頼が失われる) 経緯の開示と再生計画(活性化協議会へ)
⑤節税型 役員報酬・生命保険で意図的に圧縮 赤字のことも プラスのことが多い 説明次第 役員報酬の水準と、下げられる余地
※上表は、実務上一般に見られる傾向を整理したものです。融資の可否は各金融機関・各社の審査基準により決まり、本表が特定の結果を保証・予測するものではありません。融資にはいずれも審査があります。
通る赤字と通らない赤字の対比 通る赤字と、通らない赤字

通る赤字 ・営業キャッシュフローがプラス ・赤字の原因が、本業の外にある ・営業利益は黒字(特別損失で赤字化) ・売上総利益率が維持されている ・債務償還年数が10年以内 ・赤字の理由を数字で説明できる ・投資の回収計画を提示できる → 類型 ①先行投資型 ②一過性 ⑤節税型 公庫・保証協会から順に当たる

通らない赤字 ・営業キャッシュフローがマイナス ・本業そのものが赤字を出している ・営業赤字が継続している ・売上総利益率が崩れている ・債務償還年数が20年超/算定不能 ・過去の粉飾を修正した決算である ・赤字の理由を説明できない → 類型 ③構造的 ④粉飾の裏返し 融資より先に、収益構造の立て直し

図4:通る赤字と通らない赤字。分岐点は、営業キャッシュフローがプラスかどうかに集約されます。

この表を、縦ではなく「営業CF」の列で横に読んでほしい。

通る赤字は、営業CFがプラス。

通らない赤字は、営業CFがマイナス。

きれいに、分かれる。

これが、この記事の核心だ。

04唯一の基準:営業キャッシュフローがプラスか

損益計算書は、「儲かったか」を示す。

キャッシュフロー計算書は、「現金が増えたか」を示す。

この2つは、一致しない。

そして——

融資の返済は、現金でしかできない。

利益では返せない。

現金で返す。

だから、審査担当者が本当に知りたいのは

「この会社の事業は、現金を生んでいるか」

——これだ。

それを示すのが、営業キャッシュフローだ。

営業キャッシュフローがプラスかマイナスかによる分岐フローチャート 通る赤字と、通らない赤字を分ける、たった1つの分岐

決算が赤字だった

営業キャッシュフローは? 税引後利益 + 減価償却費 ± 運転資本の増減

プラス

マイナス

事業は、現金を生んでいる ・赤字の原因は、本業の外にある ・または、減価償却費が大きい ・返済原資は、確保できている → 説明できれば、融資の可能性がある → 公庫・保証協会から順に当たる

事業から、現金が出ていっている ・本業そのものが現金を減らしている ・借りても、返済原資が生まれない ・借入は、赤字の穴埋めに消える → 融資より先に、収益構造の立て直し → リスケ・活性化協議会を検討する

図5:営業キャッシュフローによる分岐。プラスなら融資の可能性があり、マイナスなら融資より先に収益構造の立て直しが必要です。

05営業CFの計算方法(3分でできる)

■ 営業キャッシュフローの簡易計算

キャッシュフロー計算書を作っていない中小企業がほとんどです。
だから、決算書の数字から簡易に計算します。

営業CF(簡易)= 税引後当期純利益 + 減価償却費 − 売掛金の増加 + 買掛金の増加 − 棚卸資産の増加

もっと簡単に、次の3つだけで概算しても構いません。
営業CF(超簡易)= 税引後当期純利益 + 減価償却費

たとえば——
・当期純利益:▲300万円(赤字)
・減価償却費:800万円
→ 営業CF(超簡易)= +500万円

損益計算書は赤字。しかし、現金は500万円増えている。
この会社は、事業から現金を生んでいます。返済原資が、ある。

逆に——
・当期純利益:▲300万円(赤字)
・減価償却費:100万円
→ 営業CF(超簡易)= ▲200万円

この会社は、事業から現金が出ていっています。借りても、返済原資が生まれません。

この計算を、申し込む前に自分でやってほしい。

3分で終わる。

そして、営業CFがプラスなら、その数字を資料の一番上に書く。

「当期純利益は▲300万円の赤字ですが、減価償却費800万円を加味した営業キャッシュフローは+500万円です。返済原資は確保できています」

この2行を書ける会社は、赤字でも通ることがある。

そして、この2行を書けない会社は、黒字でも落ちることがある。

審査は、「数字」ではなく「説明」で決まる部分が確かにある。

資金繰り表の作り方は資金繰り表の作り方|銀行に出す月次表と、自分を守る日繰り表は別物に記入例つきで書いた。

営業CFの数字を、月次の資金繰り表とセットで出す。

これが最強の組み合わせだ。

06債務者区分との接続(赤字=要注意先ではない)

ここで、金融機関の内部の話に接続する。

銀行は、すべての融資先に「債務者区分」という札を付けている。

正常先/要注意先/要管理先/破綻懸念先/実質破綻先

——の5段階だ。

よくある誤解:「赤字になったら要注意先に落ちる」

これは、正しくない。

区分を分けているのは、赤字かどうかではない。

債務償還年数だ。

有利子負債 ÷(営業利益+減価償却費)

これが10年以内なら、赤字でも正常先に留まることがある。

逆に、黒字でも20年を超えていれば、区分は下がる。

「赤字=アウト」ではない。

「返せる速度」の問題だ。

債務者区分の5段階と債務償還年数の詳細はビジネスローンの審査基準|銀行が付ける「債務者区分」5段階から逆算するでピラミッド図にした。

自社がどこにいるかを、先に把握してほしい。

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ケース 当期純利益 減価償却費 営業利益 有利子負債 債務償還年数 見立て
A社
先行投資型の赤字
▲300万円 800万円 200万円 8,000万円 8.0年 赤字だが、正常圏に留まりうる
B社
黒字だが借入過多
+200万円 300万円 400万円 1億5,000万円 21.4年 黒字だが、区分は下がる
C社
構造的な赤字
▲800万円 200万円 ▲600万円 6,000万円 算定不能
(分母がマイナス)
融資より先に、収益構造の立て直し
※債務償還年数=有利子負債÷(営業利益+減価償却費)。上記は説明のためのモデルケースです。実際の区分判定は、業種特性・資産内容・保全状況・将来性などを総合して各金融機関が独自に行います。金融検査マニュアルは2019年12月に廃止されています。

この表のB社を見てほしい。

黒字だ。

だが、債務償還年数は21.4年。

A社(赤字・8.0年)より、評価は下になりうる。

これが、「赤字だから借りられない」が正しくない理由だ。

法人向けビジネスローン|実質年率 年3.00%〜年15.00%(アクト・ウィル株式会社)
法人向けの事業者ローン。融資可能額300万円〜1億円。審査回答は最短60分(※)。必要書類は代表者本人確認書類、決算報告書の一部(損益計算書、売掛金・買掛金内訳書)。銀行より短い時間軸で判断されるため、直近の資金の流れを説明できる資料の準備が有効です。所在地:東京都豊島区東池袋3-11-9/資本金5,500万円/代表 谷口友祐。
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商号:アクト・ウィル株式会社/登録番号:東京都知事(5)第31521号/実質年率:年3.00%〜年15.00%/遅延損害金:年20.00%(利息制限法7条の上限)/返済方式:元利均等返済ほか(契約により異なります)/返済期間・返済回数:契約により異なります/担保・保証人:契約内容により必要となる場合があります/ご利用にあたっては審査があります。
※お申込みの時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。※記載の条件は2026年7月時点の同社公表値です。登録番号は金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で照合できます。

07赤字の「中身」を説明する、3点セットの資料

では、何を持っていけばいいのか。

3点セットだ。

これ以上でも、これ以下でもない。

赤字決算で融資を申し込むときに持参する3点セットの資料 赤字の申込に、持っていく3点セット

1 赤字の原因を1枚で説明する紙 「当期純利益 ▲300万円。うち、設備投資に伴う減価償却費の増加が 500万円。 これを除けば 200万円の黒字。営業CF は +500万円」 → 5類型のどれに当たるかを、こちらから提示する

2 月次の資金繰り表(過去6ヶ月+今後12ヶ月) 月末残高の推移が、返済後もマイナスにならないことを示す 「月々の返済 ◯万円を差し引いても、月末残高は ◯◯万円を下回りません」 → これが「返済原資」の証明になる

3 来期の改善計画(数字で書く) 「◯◯の施策により、売上総利益率を ◯% から ◯% に改善する」 「不採算取引 ◯件を整理し、年間 ◯◯万円の原価を削減する」 → 精神論ではなく、金額と期限を書く

この3枚があるかどうかで、同じ赤字決算でも結論が変わる

図6:赤字決算で融資を申し込むときの3点セット。赤字の原因、資金繰り表、改善計画。すべて数字で書きます。

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資料 書くべきこと やってはいけない書き方
① 赤字の原因(1枚) 「当期純利益 ▲300万円。うち設備投資に伴う減価償却費の増加が500万円。これを除けば200万円の黒字。営業CFは+500万円」
5類型のどれに当たるかを、こちらから提示する
「今期はちょっと厳しくて…」
「売上が落ちたので…」
(原因の分解がない)
② 資金繰り表 過去6ヶ月+今後12ヶ月。月々の返済◯万円を差し引いても、月末残高は◯◯万円を下回らないことを示す 年間の見込みだけ
(月次の資金の動きが見えない)
③ 来期の改善計画 「◯◯の施策により、売上総利益率を◯%から◯%に改善する」
「不採算取引◯件を整理し、年間◯◯万円の原価を削減する」
金額と期限を書く
「社員一丸となって頑張ります」
「営業を強化します」
(精神論/数字がない)
(参考)投資の回収計画
※先行投資型の場合
投資額◯◯万円/想定される年間の増益◯◯万円/回収まで◯ヶ月 「将来的に効果が出る見込みです」
※上表は、実務上有効とされる資料の書き方を整理したものです。求められる資料は各金融機関・各社により異なり、資料を整えたことが融資を保証するものではありません。融資には審査があります。
■ 「売上総利益率」を、3期分並べてみてほしい

構造的な赤字かどうかを判定する、最も簡単な方法です。

売上総利益率 = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

これを、3期分並べます。
維持されている(例:32% → 31% → 32%)→ 本業の収益力は保たれている。赤字の原因は、本業の外にある可能性が高い
下がり続けている(例:32% → 27% → 21%)→ 構造的な赤字の疑いが濃い。原価が上がったのか、単価が下がったのか、不採算の取引が混ざったのか。ここを分解しないまま借りると、翌年も同じ結果になります

この1つの指標を3期分並べるだけで、自社の赤字が「一時的なもの」か「構造的なもの」かが、おおよそ見えます。

▲ 「借りられたこと」が、良いこととは限らない

構造的な赤字を抱えた会社が、ノンバンクから資金を調達できてしまうことがあります。
そして、その1年後に相談に来ます。

「借りたお金は、赤字の穴埋めに消えました。返済だけが残っています」

資金調達は、目的ではありません。手段です。
その資金が何を生むのかを説明できないなら、調達できたこと自体が、次の危機の原因になります。

「借りられるか」ではなく、「借りるべきか」を、先に問うてください。

✔ 私が18年見てきた、たった一つの差

赤字で融資が通った会社と、通らなかった会社。
決算書の数字は、正直、そこまで違いません。

違ったのは、「説明」です。

通った会社は、審査担当者が聞く前に、赤字の理由を数字で説明していました。
通らなかった会社は、「今期はちょっと厳しくて…」で終わっていました。

金融機関は、「分からないもの」に金を貸せません。
分からないリスクは、否決になるか、金利に乗ります。
説明した分だけ、リスクは減り、判断は変わります。

08赤字でも使える調達手段を、順番に並べる

最後に、実際に何から当たればいいのか。

検討順序を、はっきり示す。

赤字決算のときの資金調達 検討順序ピラミッド 検討順序 ── 上から順に当たる。飛ばすとコストが10倍変わる

① 交渉 支払いの繰り延べ交渉(コスト原則ゼロ・即日) 電話1本で済む話に、手数料を払っていないか

② 猶予制度 納税の猶予・換価の猶予 延滞税・延滞金が軽減される場合がある

③ 日本政策金融公庫 基準利率 年3.50〜5.20%(無担保) 2〜4週間/赤字の中身を説明できれば可能性

④ 信用保証協会付き融資 銀行金利+保証料 年0.45〜1.90% CRD格付による9区分

⑤ 銀行プロパー融資 短プラ 2.125%+

⑥ ビジネスローン(ノンバンク) 年3.0〜15.0%

⑦ ファクタリング(債権譲渡) 手数料 数%〜十数%/1回あたり・最短30分

①を飛ばして⑦に行くと、同じ100万円のコストが約8倍になる

図7:赤字決算のときの資金調達 検討順序。上から順に当たることで、コストは大きく変わります。

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手段 コスト(2026年7月時点) 赤字でも可能性は スピード
1 支払いの繰り延べ交渉 原則ゼロ 関係ない(借入ではない) 即日
2 納税の猶予・換価の猶予 延滞税の一部免除もあり得る 関係ない(借入ではない) 申請から審査あり
3 日本政策金融公庫(セーフティネット貸付等) 基準利率 年3.50〜5.20%(無担保) 赤字の中身を説明できれば可能性がある 2〜4週間
4 信用保証協会付き融資 銀行金利+保証料 年0.45〜1.90% 赤字の中身と改善計画次第 2〜3ヶ月(制度融資の場合)
5 銀行プロパー融資 短プラ 2.125%+スプレッド 債務者区分が下がっていると厳しい 数週間〜数ヶ月
6 ビジネスローン(ノンバンク) 実質年率 年3.0〜15.0% 直近の資金の流れを示せれば可能性がある 審査最短60分〜数日
7 ファクタリング(債権譲渡) 手数料 数%〜十数%(1回あたり) 売掛先の信用力が中心(※各社の審査基準による) 最短30分〜2時間
※上から順に検討してください。いずれも審査・所定の手続きがあります。ファクタリングの手数料は金利ではなく、債権売買の対価です。ファクタリングは債権の売買であり貸付けではないため、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されません。
出典:日本政策金融公庫「金利情報」日本銀行「長・短期プライムレート推移」

この順序を、飛ばさないでほしい。

1から順に当たる。

いきなり7に行くと、コストが10倍変わる。

税金・社会保険料の滞納がある場合は、「借りて払う」前に「猶予を申請する」

その手順は税金・社会保険料を滞納すると融資はどうなるか|「換価の猶予」を先に使うに比較表で書いた。

公的支援の全体像はノンバンクの前に使うべき公的支援|セーフティネット貸付・保証協会・納税の猶予

そして、そもそもビジネスローンとは(銀行融資・日本政策金融公庫との違い)を押さえておくと、どこに申し込むべきかが見えてくる。

✔ 赤字の局面で、今日からできる3つのこと
  • ①営業キャッシュフローを計算する(3分)。税引後当期純利益 + 減価償却費。プラスなら、事業は現金を生んでいます。
  • ②売上総利益率を3期分並べる(10分)。下がり続けているなら、構造的な赤字です。借入では解決しません。
  • ③債務償還年数を計算する(3分)。有利子負債 ÷(営業利益+減価償却費)。10年を超えていないか。

この3つの数字が揃えば、自社の赤字が5類型のどれに当たるか、ほぼ判定できます。
そして、この3つの数字を持って窓口に行くだけで、話の通り方が変わります。電卓と決算書があれば、今日、終わります。

09売掛先の信用力で審査される、という道

最後の選択肢について、公平に書く。

ファクタリングは、売掛先の信用力を中心に審査される。

だから、自社が赤字でも利用できる場合がある。

(※各社の審査基準によります。)

これは、ビジネスローンには真似できない性質だ。

融資は「自社が返せるか」を見る。

ファクタリングは「売掛先が払うか」を見る。

見ている相手が、違う。

——ただし。

手数料は、融資の金利より高い。

同じ100万円を30日。

年15%のビジネスローンなら利息は約12,300円

手数料10%のファクタリングなら100,000円

約8倍だ。

(手数料10%・支払サイト30日を年率換算すると約135%相当になる。ただしこれは金利ではなく、比較のための参考値だ。ファクタリングは債権の売買であり、貸付けではないため、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されない。)

だから、順序が大事なのだ。

公的融資を先に当たる。

それでも足りないときに、ファクタリングを検討する。

逆にしてはいけない。

コストの実額比較はファクタリングとビジネスローンの違い(同じ100万円でコストは10倍変わる)で条件別に出した。

そして、そもそもファクタリングとは何かはファクタリングとは|金融庁の定義から、債権譲渡の仕組みをゼロから解説するに民法466条から書いている。

「赤字でも使える」という言葉だけを聞いて飛びつかないでほしい。

仕組みを理解してから、使う。

売掛先の信用力で審査|株式会社No.1のファクタリング
ファクタリングは売掛先の信用力を中心に審査されるため、自社が赤字でも利用できる場合があります(※同社の審査基準によります)。買取手数料0.5%〜15%、買取可能額50万円〜3億円。償還請求権なし(ノンリコース)を明記。最短30分での振込に対応し、電子契約で全国対応。設立2016年1月7日/資本金8,000万円/代表 濵野邦彦/東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower 20F。
手数料 0.5〜15%最短30分振込50万〜3億円ノンリコース売掛先の信用力で審査

無料で買取金額を確認する

※手数料・スピードは2026年7月時点の同社公表値です。実際の手数料は、債権額・支払サイト・売掛先の信用力により変動し、審査があります。赤字であることをもって利用できることを保証するものではありません。「審査通過率95%以上(2026年4月現在)」は同社の公表値であり、第三者による検証は行われていません。お申込みの時間帯や審査状況により、入金が翌営業日以降となる場合があります。ファクタリングは債権譲渡(民法466条)であり、貸付けではありません。手数料は金利ではなく、債権売買の対価です。

FAQよくある質問

赤字決算だと、日本政策金融公庫の融資も受けられませんか。
受けられないと決まったわけではありません。公庫の審査でも、見られているのは「赤字かどうか」ではなく「赤字の中身」と「返済原資があるか」です。とくに、設備投資による先行投資型の赤字や、災害・大口貸倒れによる一過性の赤字は、経緯を数字で説明できれば評価が変わります。重要なのは、営業キャッシュフロー(簡易には「税引後当期純利益+減価償却費」)がプラスかどうかです。プラスなら、事業は現金を生んでいます。その事実を資料の冒頭に書いてください。なお、公庫の基準利率は年3.50%〜5.20%(無担保)で、ノンバンクより大幅に低い水準です。まずここから当たるのが順序です。融資には審査があります。
営業キャッシュフローは、どうやって計算しますか。
キャッシュフロー計算書がなくても、決算書から概算できます。最も簡単な式は「税引後当期純利益 + 減価償却費」です。たとえば、当期純利益が▲300万円(赤字)でも、減価償却費が800万円あれば、営業CFは+500万円です。損益計算書は赤字でも、事業は現金を500万円生んでいることになります。より正確には、ここから売掛金の増加を引き、買掛金の増加を足し、棚卸資産の増加を引きます。3分あれば計算できます。この数字が、通る赤字と通らない赤字を分ける唯一の基準です。
節税のために赤字にしています。融資では不利になりますか。
説明次第です。金融機関は、役員報酬を「実質的な利益」として見直すことがあります。役員報酬が年3,000万円で当期純利益が▲500万円なら、「役員報酬を1,000万円に下げれば2,000万円の利益が出る=実質1,500万円の黒字」と評価される場合があります。ただし、これには条件があります。「いざとなれば役員報酬を下げられる」という説明が説得力を持ち、その意思が伝わることです。節税と資金調達はトレードオフの関係にあり、両方を最大化することはできません。近く融資を予定しているなら、決算対策の方針を税理士と相談してください。
2期連続の赤字です。もう手はありませんか。
2期連続かどうかより、「営業赤字が継続しているか」が重要です。営業利益が黒字で、特別損失によって当期純利益が赤字になっているなら、説明の余地があります。一方、営業赤字が2期続き、売上総利益率が崩れているなら、それは構造的な赤字です。この状態で融資を受けても、借りた金は赤字の穴埋めに消え、返済という固定費だけが残ります。この場合、優先すべきは融資ではなく、収益構造の立て直しと、返済条件の見直し(リスケ)です。中小企業活性化協議会に相談する、経営改善計画策定支援事業(405事業/費用の3分の2補助・上限300万円)を使う、といった公的な支援があります。恥ずかしいことではありません。早いほど、選択肢は多く残っています。
赤字でもファクタリングは使えますか。
ファクタリングは売掛先の信用力を中心に審査されるため、自社が赤字でも利用できる場合があります。ただし、これは各社の審査基準によるもので、利用できることを保証するものではありません。審査では、売掛先の信用力に加えて、債権の実在性(実際に取引があったか)、二重譲渡の有無、支払サイトの長さなども見られます。注意すべきはコストです。手数料10%・支払サイト30日の場合、年率換算で約135%相当(単利・365日ベースの概算/比較のための参考値)になります。年15%のビジネスローンと比べると、同じ100万円・30日で約8倍の差です。公的融資を先に当たり、それでも足りないときに検討する、という順序を守ってください。
赤字だと、債務者区分は要注意先に落ちますか。
自動的に落ちるわけではありません。区分を分けている主要な指標は、赤字かどうかではなく債務償還年数(有利子負債÷(営業利益+減価償却費))です。これが10年以内なら、赤字でも正常先に留まることがあります。逆に、黒字でも20年を超えていれば区分は下がります。「赤字=アウト」ではなく、「返せる速度」の問題です。まずは自社の債務償還年数を計算してください。なお、金融検査マニュアルは2019年12月に廃止されており、現在は各金融機関が事業の実態・将来性を踏まえて独自に判断しています。形式的な数値だけで機械的に決まるわけではありません。

まとめ

赤字決算で、融資は受けられるのか。

答えは、「赤字の中身による」だ。

赤字は5つに分かれる。

①先行投資型②一過性③構造的④粉飾の裏返し⑤節税型

①②⑤は、説明できれば通ることがある。

③は、厳しい。

④は、致命的だ。

そして——

通る赤字と通らない赤字を分ける、唯一の基準がある。

営業キャッシュフローが、プラスか、マイナスか。

税引後当期純利益 +減価償却費。

これだけで概算できる。

3分で終わる。

当期純利益が▲300万円でも、減価償却費が800万円あれば、営業CFは+500万円。

損益計算書は赤字。だが、現金は増えている。

返済原資は、ある。

この2行を書けるかどうかで、同じ赤字決算でも結論が変わる。

——最後に、一つだけ言っておきたい。

審査担当者は、「分からないもの」に金を貸せない。

分からないリスクは、否決になるか、金利に乗る。

説明した分だけ、リスクは減る。

決算書の最終行を見てうつむく前に、

電卓を出して、営業キャッシュフローを計算してほしい。

まだ、終わっていない。

出典・参考
日本政策金融公庫「金利情報」
日本銀行「長・短期プライムレート推移」
中小企業庁(中小企業活性化協議会・経営改善計画策定支援事業)
e-Gov 法令検索「貸金業法」
金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
・帝国データバンク「全国企業倒産集計 2026年上半期報」(倒産5,335件/前年同期比+6.6%/売掛金回収難による倒産32件・+128.6%)

相談窓口
金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811/日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051051/警察相談専用電話:#9110

監修:黒岩 智之(くろいわ ともゆき)
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年。地方銀行の融資審査部に9年在籍後、独立。これまで1,200社超の資金繰り相談に対応。建設・運送・医療介護分野の資金調達を専門とする。




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