ビジネスローンの金利|100万・500万を借りたら、総額いくら返すのか【計算表】

ビジネスローン・融資
ビジネスローン・融資

ビジネスローンの金利|100万・500万を借りたら、総額いくら返すのか【計算表】

公開日 2026年7月13日|最終更新 2026年7月13日
監修:黒岩 智之
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年
元・地方銀行 融資審査部(9年)/相談実績1,200社超
広告(PR)|本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

この記事の結論

  • ビジネスローンの金利は、概ね年3.0%〜18.0%。だが、この「レンジ表記」からは、自社がいくら返すのかが一切分からない。だから実額を全部計算した
  • 100万円・年15.0%・36回なら、月々34,665円、総返済 1,247,952円、利息 247,952円。元本の約25%が利息として乗る。
  • 500万円・年15.0%・60回なら、総返済 7,136,979円、利息 2,136,979円元本の42.7%。返済回数を延ばすと、月々は軽くなり、総額は重くなる。
  • 年18.0%は、100万円以上の借入には使えない。利息制限法1条により、元本100万円以上の上限は年15.0%。広告のレンジ上限「18.0%」は、100万円未満の少額枠を指している。
  • 同じ100万円を30日。年15%のローンの利息は約12,300円手数料10%のファクタリングは100,000円(年率換算で約135%相当)。速さには値段がついている。

「年3.1%〜18.0%」

ビジネスローンの金利は、どのサイトでもこう書かれている。

そして、そこで話が終わる。

では聞きたい。

その会社から100万円を借りて、36回で返したら、あなたは総額いくら払うのか。

答えられるサイトが、一つもなかった。

レンジだけを書いて、「金利は低いほうがお得です」と結んで終わる。

当たり前のことしか書いていない。

だから、この記事では全部計算する。

借入 100万/300万/500万

金利 年5%/10%/15%/18%

返済 12回/36回/60回

この36通りすべての月返済額・総返済額・総利息を、円で出す。

元利均等返済の正式な計算式で、一つずつ検算した。

そのうえで、表に出てこないコストも足す。

事務手数料。

遅延損害金 年20.0%。

最後に——

ファクタリング手数料10%(支払サイト30日)を、同じ物差しの上に置く。

年率換算で約135%相当。

それが、「速さの値段」だ。

数字は、慰めてはくれない。

だが、判断はさせてくれる。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や、投資・法務・税務に関する助言を行うものではありません。実際のご契約にあたっては、事前に各社の公式サイトおよび契約書面をご確認ください。掲載している数値・条件は2026年7月時点の公開情報に基づきます。融資には審査があります。本記事の計算はすべて概算であり、実際の返済額は各社の計算方法(日割り計算の起算日、端数処理、手数料の有無等)により異なります。

01「年3.0〜18.0%」は、何も教えてくれない

ビジネスローンの金利は、2026年7月時点で概ね年3.0%〜18.0%

この数字自体は正しい。

問題は、レンジの幅が6倍あるということだ。

年3.0%と年18.0%では、100万円を3年で返したとき、利息が約4.7万円と約30.1万円

6.4倍ちがう。

「年3.0%〜18.0%」という一行の裏側には、この差が隠れている。

そして、ほとんどの事業者はレンジの下限では借りられない。

下限金利は、財務内容が良く、担保もあり、取引実績もある先に提示される水準だ。

では、実際にはどこに着地するのか。

それは審査の結果で決まる。

だから、この記事では5%・10%・15%・18%の4本立てで計算する。

自社がどこに着地しても、表を読めば総額が分かるように。

■ 2026年7月時点の金利環境(前提として押さえる)
  • 日銀 政策金利:1.00%(2026年6月会合で利上げ)=31年ぶりの水準
  • 短期プライムレート:2.125%(2026年2月9日〜)。1.475%が15年据え置かれていたものが、1.625%(2024年9月)→1.875%(2025年3月)→2.125%(2026年2月)と、2年で0.65ポイント上昇した
  • 長期プライムレート:3.15%(2026年6月10日)
  • 帝国データバンクの試算では、政策金利1.0%で企業の3.3%が経常赤字に転落する

出典:日本銀行「長・短期プライムレート推移」

つまり、いま起きているのは「金利が上がる局面での資金調達」だ。

低金利の記憶で判断してはいけない。

短プラが上がれば、銀行の貸出金利も上がる。

ノンバンクのビジネスローンも、調達コストの上昇分を価格に転嫁していく。

同じ会社が、同じ条件で、去年より高い金利を提示される。

これが2026年の現実だ。

だからこそ、「総額いくら返すのか」を先に知る意味がある。

02ビジネスローンの金利水準を、階層で把握する

ビジネスローンの金利を単体で見ても、高いのか安いのか分からない。

階層で見る。

公的融資からファクタリングまで、コストの順に並べる。

資金調達手段の金利階層ピラミッド(2026年7月時点) コストの階層 ── ビジネスローンは、どこに位置するのか

公庫 日本政策金融公庫 年3.50〜5.20%(無担保) マル経融資 年2.60%/担保有 年2.50〜4.80%

信用保証協会付き融資 銀行金利 + 保証料 年0.45〜1.90% CRD格付による9区分

銀行プロパー融資 短プラ 2.125% + スプレッド 審査に数週間〜数ヶ月

ビジネスローン(ノンバンク) 年3.0〜18.0% 最短即日〜数日

ファクタリング(債権譲渡) 手数料 数%〜十数%/1回あたり 最短30分〜数時間

↑ 安い   コスト   高い ↓

ビジネスローンは、上から4段目。公庫より高く、ファクタリングより安い。 「高い」も「安い」も、比較対象を決めなければ意味を持たない。

図1:資金調達手段の金利階層。ビジネスローンは公庫より高く、ファクタリングより安い位置にある。2026年7月時点の各機関公表値に基づく。

この図で、物差しが一段動く。

「ビジネスローンは金利が高い」

これは、公庫(年3.50〜5.20%)と比べたときの話だ。

ファクタリングと比べれば、ビジネスローンは安い。

同じ100万円を30日使うなら、年15%のローンの利息は約12,300円。

手数料10%のファクタリングなら100,000円。

約8倍の差だ。

この比較を、同一条件で徹底的にやったのがファクタリングとビジネスローンの違い(同じ100万円でコストは10倍変わる)だ。

そして、そもそもビジネスローンとは何か、銀行融資や公庫とどう違うのかはビジネスローンとは(銀行融資・日本政策金融公庫との違いを金利で比較)に整理した。

先にこの階層を頭に入れてから、下の表を読んでほしい。

03元利均等返済の計算式(この式だけ覚える)

ビジネスローンの多くは元利均等返済を採る。

毎月の返済額が一定で、その中身が利息から元本へと少しずつシフトしていく方式だ。

計算式はこうなる。

■ 元利均等返済の月返済額

月返済額 = P × r × (1+r)n ÷ { (1+r)n − 1 }

P = 借入元本(円)
r = 月利= 年利 ÷ 12
n = 返済回数(月数)

総返済額 = 月返済額 × n
総利息 = 総返済額 − P

例:100万円・年15.0%・36回
r = 0.15 ÷ 12 = 0.0125
月返済額 = 1,000,000 × 0.0125 × 1.012536 ÷ (1.012536 − 1) = 34,665円
総返済額 = 34,665 × 36 = 1,247,952円/総利息 = 247,952円

この式が、以下すべての表の根拠だ。

元利均等返済の最も重要な性質は、「序盤は利息ばかり払っている」ということだ。

100万円・年15%・36回の初回返済34,665円のうち、利息は12,500円(100万円 × 0.0125)。

元本は22,165円しか減らない。

払った額の36%が、利息に消えている。

これが12回目、24回目と進むにつれて、元本部分が増えていく。

だから、繰上返済は早ければ早いほど効く。

元利均等返済における毎月の返済内訳の推移(100万円・年15%・36回) 序盤は、利息ばかり払っている(100万円・年15%・36回)

返済回数(月) 月返済額 34,665円の内訳

利息 12,500 元本 22,165 1回目

利息 約8,700 元本 約26,000 12回目

利息 約4,600 元本 約30,000 24回目

利息 約430 元本 約34,200 36回目

初回は、払った34,665円のうち12,500円(36%)が利息に消える = 繰上返済は「早ければ早いほど」効く理由

図2:元利均等返済の内訳推移。返済額は一定でも、中身は利息から元本へシフトする。序盤ほど利息の比率が高い。

04【計算表①】100万円を借りたら、総額いくら返すのか

ここからが本題だ。

借入100万円。

金利は5%・10%・15%・18%。

返済回数は12回・36回・60回。

12通りすべての実額を出す。

← 横にスクロールできます →

金利 返済回数 月返済額 総返済額 総利息 利息/元本
年5.0% 12回(1年) 85,607円 1,027,290円 27,290円 2.7%
36回(3年) 29,971円 1,078,952円 78,952円 7.9%
60回(5年) 18,871円 1,132,274円 132,274円 13.2%
年10.0% 12回(1年) 87,916円 1,054,991円 54,991円 5.5%
36回(3年) 32,267円 1,161,619円 161,619円 16.2%
60回(5年) 21,247円 1,274,823円 274,823円 27.5%
年15.0%
(法定上限)
12回(1年) 90,258円 1,083,100円 83,100円 8.3%
36回(3年) 34,665円 1,247,952円 247,952円 24.8%
60回(5年) 23,790円 1,427,396円 427,396円 42.7%
年18.0%
※下の注記必読
12回(1年) 91,680円 1,100,160円 100,160円 10.0%
36回(3年) 36,152円 1,301,486円 301,486円 30.1%
60回(5年) 25,393円 1,523,606円 523,606円 52.4%
※元利均等返済(月返済額 = P×r×(1+r)^n ÷ ((1+r)^n−1)、r=年利÷12)による計算。月返済額は円未満を四捨五入し、総返済額は「月返済額×回数」で算出した概算です。実際の返済額は、各社の日割り計算・端数処理・初回返済日の設定により数百円〜数千円の差が生じます。
年18.0%の行は「参考計算」です。利息制限法1条により、元本100万円以上の上限金利は年15.0%です。詳しくは第7章で説明します。
● この表から読み取るべき、たった1つのこと

金利が同じでも、返済回数を延ばすと総利息は倍以上になります。
年15.0%の100万円。
・12回で返す → 総利息 83,100円
・36回で返す → 総利息 247,952円約3.0倍
・60回で返す → 総利息 427,396円約5.1倍

月々の返済額は 90,258円 → 34,665円 → 23,790円 と軽くなります。
軽くなった分は、消えたのではなく、利息として支払われています。「月々の負担」だけを見て回数を選ぶと、この事実が視界から消えます。

ここに、資金繰り相談の現場で最もよく見る誤りがある。

「月々の返済がいくらになるか」だけを見て、返済回数を決めてしまう。

月23,790円なら払える。

だから60回にする。

——気持ちは分かる。

だが、その選択は427,396円の利息を選んだということだ。

12回にしていれば83,100円で済んだ。

差額は344,296円。

もちろん、月90,258円を12ヶ月払い切れるかどうかは別の話だ。

払えない返済計画は、そもそも計画ではない。

だから、判断はこうなる。

「払える範囲で、最も短い回数を選ぶ」

これが唯一の原則だ。

そして、その「払える範囲」を把握するために、資金繰り表がいる。

05【計算表②】300万円・500万円を借りたら

金額が増えると、差はそのまま比例して開く。

300万円と500万円。

同じ36通りを、続ける。

借入300万円の場合

← 横にスクロールできます →

金利 返済回数 月返済額 総返済額 総利息 利息/元本
年5.0% 12回 256,822円 3,081,869円 81,869円 2.7%
36回 89,913円 3,236,857円 236,857円 7.9%
60回 56,614円 3,396,822円 396,822円 13.2%
年10.0% 12回 263,748円 3,164,972円 164,972円 5.5%
36回 96,802円 3,484,856円 484,856円 16.2%
60回 63,741円 3,824,468円 824,468円 27.5%
年15.0%
(法定上限)
12回 270,775円 3,249,299円 249,299円 8.3%
36回 103,996円 3,743,855円 743,855円 24.8%
60回 71,370円 4,282,187円 1,282,187円 42.7%
年18.0%
※参考計算
12回 275,040円 3,300,480円 300,480円 10.0%
36回 108,457円 3,904,459円 904,459円 30.1%
60回 76,180円 4,570,817円 1,570,817円 52.4%
※元利均等返済による概算。年18.0%は参考計算です(元本100万円以上は利息制限法1条により年15.0%が上限)。

借入500万円の場合

← 横にスクロールできます →

金利 返済回数 月返済額 総返済額 総利息 利息/元本
年5.0% 12回 428,037円 5,136,449円 136,449円 2.7%
36回 149,854円 5,394,761円 394,761円 7.9%
60回 94,356円 5,661,370円 661,370円 13.2%
年10.0% 12回 439,579円 5,274,953円 274,953円 5.5%
36回 161,336円 5,808,094円 808,094円 16.2%
60回 106,235円 6,374,113円 1,374,113円 27.5%
年15.0%
(法定上限)
12回 451,292円 5,415,499円 415,499円 8.3%
36回 173,327円 6,239,759円 1,239,759円 24.8%
60回 118,950円 7,136,979円 2,136,979円 42.7%
年18.0%
※参考計算
12回 458,400円 5,500,800円 500,800円 10.0%
36回 180,762円 6,507,431円 1,507,431円 30.1%
60回 126,967円 7,618,028円 2,618,028円 52.4%
※元利均等返済による概算。年18.0%は参考計算です。実際の返済額は各社の計算方法により異なります。融資には審査があります。
▲ 500万円を年15.0%・60回で借りると、どうなるか

総返済額 7,136,979円。総利息 2,136,979円。
元本の42.7%を、利息として上乗せして返すことになります。

月々118,950円を、60ヶ月。
これは、5年間、毎月12万円の固定費が増えるのと同じです。

500万円の設備投資が、5年間で213万円の利益を追加で生むなら、この借入は合理的です。
生まないなら、この借入は自社の体力を削っているだけです。

金利は「率」ではなく、「毎月出ていく固定費」として考えてください。

06総返済額の内訳を、積み上げ棒グラフで見る

表は正確だが、体感が伴わない。

元本と利息を積み上げて見せる。

500万円を借りたとき、返済回数と金利によって「返す山」がどれだけ高くなるか——これを見てほしい。

借入500万円の総返済額 積み上げ棒グラフ(元本と利息の内訳) 500万円を借りて、総額いくら返すのか(元本+利息の積み上げ)

0 200万 400万 600万 800万

513万 5% 12回

539万 5% 36回

581万 10% 36回

637万 10% 60回

624万 15% 36回

714万 15% 60回

762万 18% 60回

元本 500万円(固定) 利息(金利と回数で膨らむ部分)

※年18.0%は参考計算(元本100万円以上は利息制限法により年15.0%が上限)

図3:借入500万円の総返済額。元本500万円は固定で、赤い部分(利息)だけが金利と返済回数で膨らんでいく。年15%・60回では、利息だけで約214万円。

この図の見方はシンプルだ。

茶色い部分(元本500万円)は、どの棒でも同じ高さ。

変わるのは、その上に乗る赤い部分だけ。

年5%・12回なら、赤はほとんど見えない(13万円)。

年15%・60回なら、赤は元本の4割を超える高さになる(214万円)。

「金利」とは、この赤い部分のことだ。

そして——

赤い部分は、事業から生まれた利益で払わなければならない。

500万円を借りて、5年で214万円の利息を払う。

その借入が、5年間で214万円を超える利益を生むのか。

これが、唯一の問いだ。

生むなら、借りる。

生まないなら、借りない。

「金利が高いか安いか」ではない。

「その金利を、事業が払えるか」だ。

法人向けビジネスローン|実質年率 年3.00%〜年15.00%(アクト・ウィル株式会社)
法人向けの事業者ローン。融資可能額300万円〜1億円。審査回答は最短60分で、即日融資にも対応(※)。運送業をはじめとする法人の資金需要に対応しています。必要書類は代表者本人確認書類、決算報告書の一部(損益計算書、売掛金・買掛金内訳書)。所在地:東京都豊島区東池袋3-11-9/資本金5,500万円/代表 谷口友祐。
実質年率 年3.00〜15.00%遅延損害金 年20.00%300万〜1億円審査最短60分法人のみ

融資条件を確認する(無料)

【貸金業法15条・同施行規則12条に基づく表示】
商号:アクト・ウィル株式会社/登録番号:東京都知事(5)第31521号/実質年率:年3.00%〜年15.00%/遅延損害金:年20.00%(利息制限法7条の上限)/返済方式:元利均等返済ほか(契約により異なります)/返済期間・返済回数:契約により異なります/担保・保証人:契約内容により必要となる場合があります/ご利用にあたっては審査があります。
※お申込みの時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。※記載の条件は2026年7月時点の同社公表値です。登録番号は金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で照合できます。

07年18.0%は、100万円には適用できない

ここが、この記事で最も読者の得になる部分だ。

比較サイトを見ると、ビジネスローンの金利は「年3.1%〜18.0%」と書かれている。

多くの人は、こう読む。

「最悪、18%か」

——だが、それは正確ではない。

元本100万円以上の借入に、年18.0%は適用できない。

利息制限法1条が、上限を3段階で定めている。

利息制限法1条による上限金利の3段階 利息制限法1条 ── 上限金利は、元本で3段階に変わる

元本 10万円未満 年20% まで

元本 10万円以上 100万円未満 年18% まで

元本 100万円以上 年15% まで(← 事業資金の多くはここ)

広告の「年3.1%〜18.0%」の 18.0% は、100万円未満の枠を指している 100万円以上を借りる限り、法定上限は年15.0%。ここを知らずに「18%か」と身構える必要はない。

遅延損害金の上限は、別枠で 年20.0%(利息制限法7条1項) 営業的金銭消費貸借の遅延損害金は、元本の額にかかわらず年20%が上限。 返済が遅れた瞬間、コストは年15% → 年20% に跳ね上がる。

図4:利息制限法1条の3段階。元本100万円以上なら上限は年15.0%。遅延損害金は別枠で年20.0%が上限(同法7条1項)。

✔ 「18.0%」の正体を、正しく理解する
  • ビジネスローンの広告に出る「〜18.0%」は、10万円以上100万円未満の少額枠に適用される上限です。
  • 100万円以上を借りる場合、法定上限は年15.0%(利息制限法1条3号)。
  • したがって、100万円・300万円・500万円という事業資金の典型的なレンジでは、年15.0%が天井です。
  • 逆に言えば、100万円以上の借入で年18%を提示されたら、それは利息制限法を超えています。契約書の実質年率の表記を確認し、金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」で登録の有無を照合してください。
  • なお、出資法5条2項により、業として年20%を超える利息を取ると刑事罰(5年以下の拘禁刑/1,000万円以下の罰金)の対象になります。

出典:e-Gov 法令検索「貸金業法」日本貸金業協会「上限金利について」

この一点を知っているだけで、契約書を見る目が変わる。

「実質年率 年◯.◯%」

この数字が、借入元本と照らして法定上限の内側にあるか。

それを確認する。

たったそれだけのことを、やっていない事業者があまりにも多い。

08表に出ないコスト:事務手数料と遅延損害金 年20.0%

金利だけを見ていると、2つのコストを見落とす。

①事務手数料

②遅延損害金(年20.0%)

どちらも、総支払額を静かに押し上げる。

事務手数料は、実質コストを何%押し上げるか

ビジネスローンには、契約時に事務手数料がかかる商品がある。

金額は各社によるが、仮に3万円だとする。

100万円を年15.0%・12回で借りた場合。

利息は83,100円。

そこに事務手数料3万円が乗ると、実質的な負担は113,100円

元本に対して11.31%だ。

金利は年15.0%のはずが、1年で見た実負担は11.31%(1年分)——

つまり、短期で借りて早く返すほど、事務手数料の重みが増す

30日で返すなら、利息は約12,300円。

そこに事務手数料3万円が乗れば、コストの7割以上が手数料になる。

「短期でちょっとだけ借りる」という使い方は、事務手数料の存在によって割に合わなくなることがある。

契約前に、事務手数料の有無と金額を、事前に確認してほしい。

遅延損害金 年20.0% ── 一日でも遅れると、何が起きるか

← 横にスクロールできます →

残債 遅延日数 遅延損害金(年20.0%) 同期間の通常利息(年15.0%)との差
100万円 30日 16,438円 +約4,100円
100万円 60日 32,877円 +約8,200円
300万円 30日 49,315円 +約12,300円
500万円 30日 82,192円 +約20,500円
500万円 90日 246,575円 +約61,600円
※遅延損害金 = 残債 × 20.0% × 遅延日数 ÷ 365 の単利概算。営業的金銭消費貸借における遅延損害金の上限は年20%(利息制限法7条1項)。実際の計算方法・起算日は契約書面によります。
● 遅延損害金の本当の怖さは、金額ではない

500万円を90日延滞すると、遅延損害金は246,575円
通常利息との差は約6万円です。金額だけ見れば「その程度か」と思うかもしれません。

本当の問題は、そこではありません。

  • 信用情報に事故情報(異動)が登録される可能性があります。61日以上または3ヶ月以上の延滞は、CIC等の信用情報機関に記録されます。
  • 一度記録されると、その後の融資・リース・クレジットの審査に長期間影響します
  • 代表者個人の信用情報にも波及することがあります(代表者が連帯保証人になっている場合)。
  • 期限の利益を喪失し、残債の一括請求を受ける可能性があります。

延滞は「6万円の追加コスト」ではなく、「今後数年間の資金調達力の喪失」です。返済が難しいと分かった時点で、延滞する前に借入先へ相談してください。

返済が苦しくなったとき、最悪の選択は「黙って延滞する」ことだ。

次に悪いのが、「返済のために別の借入をする」

これが多重債務への入口になる。

融資を断られた直後や、返済が回らなくなった局面で何が起きるかは融資を断られた直後が、一番危ない(多重債務への転落ルート)で可視化した。

そして、返済条件そのものを見直す道もある。

リスケ(返済条件変更)の全手順|中小企業活性化協議会と405事業で、手順を書いた。

延滞する前なら、打てる手はまだある。

09ファクタリング手数料10%を、同じ物差しに置く

ここまで、ビジネスローンの金利を円で計算してきた。

最後に、ファクタリングを同じ物差しの上に置く。

これをやっている記事が、市場に一つもない。

——ただし、慎重に書く必要がある。

■ ファクタリングの手数料は、金利ではない

ファクタリングは債権の売買(民法466条の債権譲渡)であり、貸付けではありません。
したがって、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されません。「手数料10%は年利120%だ」と言い切るのは、法的整理として正しくありません。

では、なぜ年率換算するのか。
理由は2つあります。
他の資金調達手段とコストを比べるための物差しとして。
「この取引は、そもそも合法なファクタリングなのか」を見抜くため。金融庁は、買取代金が債権額に比べて著しく低額であるケースは、偽装ファクタリングの疑いがあるとしています。

年率換算は、業者を非難するための数字ではありません。

← 横にスクロールできます →

手段 条件 100万円を30日使うコスト 年率換算(比較用の参考値)
日本政策金融公庫 年2.2%(基準利率・無担保の下限) 約 1,808円 年2.2%
ビジネスローン(下限側) 実質年率 年3.00% 約 2,466円 年3.00%
ビジネスローン(中間) 実質年率 年10.00% 約 8,219円 年10.00%
ビジネスローン(上限) 実質年率 年15.00%(法定上限) 約 12,328円 年15.00%
ビジネスローン(延滞時) 遅延損害金 年20.00% 約 16,438円 年20.00%
ファクタリング 手数料3% 額面100万円・サイト30日 30,000円 約 37.6%相当
ファクタリング 手数料10% 額面100万円・サイト30日 100,000円 約 135.2%相当
ファクタリング 手数料15% 額面100万円・サイト30日 150,000円 約 214.7%相当
※利息は「元本×年率×30÷365」の単利概算。ファクタリングの年率換算は「手数料額 ÷ 手取額 × (365 ÷ 支払サイト日数) × 100」(単利・365日ベース/手取ベース)。ファクタリングの手数料は金利ではないため、これは比較のための参考値です。ファクタリングは債権の売買であり貸付けではないため、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されません。いずれも審査があります。
速さの値段:100万円を30日使うコストを、調達手段別に比較 100万円・30日 ── 「速さ」には、値段がついている

公庫 年2.2%(2〜4週間) 約1,808円

ビジネスローン 年3.00% 約2,466円

ビジネスローン 年10.00% 約8,219円

ビジネスローン 年15.00%(即日〜数日) 約12,328円

遅延損害金 年20.00% 約16,438円

ファクタリング 手数料10%(最短30分) 100,000円

ファクタリング 手数料15% 150,000円

法定上限いっぱいの年15.0%で借りても、手数料10%の約8分の1 30分で調達するか、数日待つか。その差が、約8.7万円という値段になっている。

図5:100万円・30日のコスト比較。ファクタリングの手数料は金利ではないが、同じ物差しに置くと、速さの対価が可視化される。

この図が示すのは、「速さの値段」だ。

ファクタリングの手数料10%は、高い。

だが、それは「悪い」という意味ではない。

最短30分で入金される。

自社が赤字でも、売掛先の信用力で審査される。

負債にならない。

これらは、ビジネスローンにはできないことだ。

価値と価格は、きちんと対応している。

問題は、「30分の速さが、本当に必要だったのか」だ。

3日待てるなら、ビジネスローンで約12,300円。

30分で欲しいなら、ファクタリングで100,000円。

差額の約87,700円は、「2日と23時間30分」の値段だ。

その値段を払う価値があるかどうかは、状況が決める。

手数料と支払サイトの組み合わせ別の換算はファクタリング手数料の相場と実質年率換算表でマトリクスにしている。

そして、その速さが本当に必要になる前に——

公的支援を先に検討してほしい。

ノンバンクの前に使うべき公的支援|セーフティネット貸付・保証協会・納税の猶予に、検討順序をまとめた。

10金利を下げるために、借りる前にできること

最後に、実務の話をする。

提示される金利は、運では決まらない。

審査の結果で決まる。

そして審査は、こちらが出す情報の質に左右される。

18年、この仕事をしてきて確信していることがある。

同じ財務内容でも、出し方で金利は変わる。

金利を左右する5つの要素と、事業者側でできる対策 提示金利を左右する5要素 ── どこを動かせるか

① 財務内容 黒字か赤字か・自己資本比率 短期では動かせない 対策:赤字の「中身」を説明できる 資料を用意する(先行投資型か等)

② 借入額 100万円以上か未満か 動かせる 対策:100万円以上にすると 法定上限が年18% → 年15%になる

③ 担保・保証 不動産・代表者保証 一部動かせる 対策:担保提供で金利は下がるが、 失うものの大きさと天秤にかける

④ 返済回数 短いほど総利息は減る 動かせる 対策:払える範囲で最短の回数 60回 → 12回で総利息は約5分の1

⑤ 資料の質 資金繰り表・事業計画 最も動かせる = 今日からできる 対策:資金繰り表と、返済原資の 根拠を1枚にまとめて持参する

図6:提示金利を左右する5要素。財務内容は短期では動かせないが、借入額・返済回数・資料の質は今日から動かせる。

とくに⑤について、はっきり書く。

審査担当者が最も知りたいのは、「この会社は、何で返すのか」だ。

売上が伸びるから返せる——

これでは弱い。

「毎月の営業キャッシュフローが◯◯万円あり、そこから月◯万円を返済に充てても、月末残高は◯◯万円を維持できる」

ここまで書けている資料を、私はほとんど見たことがない。

そして、これを書けている会社は、同じ財務内容でも金利が下がる。

理由は単純だ。

貸し手のリスクが下がるから。

見えないリスクは、価格に乗る。

見せた分だけ、価格から降りる。

審査で何が見られているのか、その構造そのものはビジネスローンの審査基準|銀行が付ける「債務者区分」5段階から逆算するで詳しく分解した。

赤字決算の場合に何が問われるかは赤字決算でも融資は受けられるのか|赤字の「中身」で結論は変わる

税金・社会保険料の滞納がある場合は税金・社会保険料を滞納すると融資はどうなるか|「換価の猶予」を先に使うを先に読んでほしい。

そして、1億円を超える大口の調達では、金利差よりも機会損失のほうが大きくなることがある。

その計算は1億円以上の大口資金調達|M&A・大型設備投資を、スピードで決めるで天秤にかけた。

✔ 借りる前の、5つのチェック
  • ①その借入は、返済総額を超える利益を生むか。500万円・年15%・60回なら、5年で214万円の利息。これを超えるリターンがあるか。
  • ②払える範囲で、最も短い返済回数を選んだか。月々の負担だけで回数を決めていないか。
  • ③実質年率は、借入元本に対する法定上限(100万円以上なら年15%)の内側か。
  • ④事務手数料の有無と金額を確認したか。短期・少額ほど、手数料の重みは増す。
  • ⑤公的融資(公庫・保証協会・制度融資)を先に当たったか。年3.50〜5.20%と年15%では、5年で数百万円の差になる。
売掛債権を、50万円〜3億円まで買取|株式会社No.1
「返済を増やしたくない」「借入金として計上したくない」という判断であれば、ファクタリング(債権譲渡)という選択肢があります。買取手数料0.5%〜15%。償還請求権なし(ノンリコース)を明記。最短30分での振込に対応し、電子契約で全国対応。設立2016年1月7日/資本金8,000万円/代表 濵野邦彦/東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower 20F。
手数料 0.5〜15%最短30分振込50万〜3億円ノンリコース電子契約可

無料で買取金額を確認する

※手数料・スピードは2026年7月時点の同社公表値です。実際の手数料は、債権額・支払サイト・売掛先の信用力により変動し、審査があります。「審査通過率95%以上(2026年4月現在)」は同社の公表値であり、第三者による検証は行われていません。お申込みの時間帯や審査状況により、入金が翌営業日以降となる場合があります。ファクタリングは債権譲渡(民法466条)であり、貸付けではありません。手数料は金利ではなく、債権売買の対価です。

FAQよくある質問

ビジネスローンの金利は、結局どのくらいが相場ですか。
2026年7月時点で、ノンバンクのビジネスローンは概ね年3.0%〜18.0%の範囲にあります。ただし、元本100万円以上の借入については、利息制限法1条により年15.0%が上限です。したがって、事業資金として100万円以上を借りる場合、実務上のレンジは年3.0%〜15.0%と考えてください。日本政策金融公庫(国民生活事業)の基準利率は年3.50%〜5.20%(無担保)、信用保証協会付き融資は銀行金利に保証料率年0.45%〜1.90%が加わります。融資にはいずれも審査があります。
100万円を年15%で3年借りたら、総額いくら返しますか。
元利均等返済の場合、月返済額は34,665円、総返済額は1,247,952円、総利息は247,952円です(月返済額×36回による概算)。元本に対して約24.8%の利息が上乗せされます。同じ100万円・年15%でも、12回で返せば総利息は83,100円、60回で返せば427,396円になります。返済回数を延ばすほど月々の負担は軽くなりますが、総利息は増えます。実際の返済額は、各社の計算方法・端数処理により多少異なります。
広告に「年18.0%まで」と書かれていますが、100万円借りると18%になりますか。
なりません。利息制限法1条により、上限金利は元本の額で3段階に分かれています。10万円未満は年20%、10万円以上100万円未満は年18%、100万円以上は年15%です。したがって、100万円以上を借りる場合の法定上限は年15.0%です。広告の「〜18.0%」という表記は、100万円未満の少額枠に適用される上限を指しています。もし100万円以上の借入で年18%を提示された場合は、契約書の実質年率の表記を確認し、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで貸金業登録の有無を照合してください。
返済が1日でも遅れると、どうなりますか。
遅延損害金が発生します。営業的金銭消費貸借の遅延損害金は、利息制限法7条1項により年20%が上限です。500万円の残債を30日延滞した場合、遅延損害金は約82,192円(残債×20%×30÷365の概算)になります。ただし、金額以上に重いのは信用情報への影響です。61日以上または3ヶ月以上の延滞は、CIC等の信用情報機関に事故情報として登録される可能性があり、その後の資金調達に長期間影響します。また、期限の利益を喪失し、残債の一括請求を受ける可能性もあります。返済が難しいと分かった時点で、延滞する前に借入先へ相談してください。
ファクタリングの手数料10%は、ビジネスローンの金利で言うと何%ですか。
支払サイト30日の場合、年率換算で約135.2%相当になります(手数料額÷手取額×365÷30×100、単利・365日ベースの概算)。ただし、これは金利ではありません。ファクタリングは債権の売買(民法466条の債権譲渡)であり貸付けではないため、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されません。この年率換算は、他の資金調達手段とコストを比べるための参考値であり、同時に「この取引は本当に債権の売買なのか」を見抜くための物差しでもあります。金融庁は、買取代金が債権額に比べて著しく低額であるケースは偽装ファクタリングの疑いがあるとしています。
金利を少しでも下げるには、何をすればよいですか。
短期間で最も効果があるのは、提出資料の質を上げることです。具体的には、資金繰り表と「返済原資の根拠」を1枚にまとめて持参してください。「毎月の営業キャッシュフローが◯◯万円あり、月◯万円を返済に充てても月末残高は◯◯万円を維持できる」という水準まで書けている会社は、同じ財務内容でも提示金利が下がる傾向があります。理由は単純で、貸し手のリスクが下がるからです。見えないリスクは価格に乗り、見せた分だけ価格から降ります。あわせて、①公的融資(年3.50〜5.20%)を先に検討する、②払える範囲で最も短い返済回数を選ぶ、③事務手数料の有無を確認する、この3点も実額に効きます。

まとめ

「年3.0〜18.0%」

このレンジ表記からは、自社が総額いくら返すのかが一切分からない。

だから、全部計算した。

100万円・年15.0%・36回。

月34,665円。総返済 1,247,952円。利息 247,952円。

500万円・年15.0%・60回。

月118,950円。総返済 7,136,979円。利息 2,136,979円。

元本の42.7%が、利息だ。

そして、押さえるべき事実が3つある。

①元本100万円以上なら、法定上限は年15.0%。

広告の「18.0%」は、100万円未満の枠を指している。

②返済回数を延ばすと、月々は軽くなり、総額は重くなる。

軽くなった分は消えたのではなく、利息として払われている。

③返済が遅れた瞬間、コストは年20.0%になる。

そして信用情報に傷が残る。

——最後に、これだけ。

問うべきは「金利が高いか安いか」ではない。

「その金利を、事業が払えるか」だ。

500万円を借りて、5年で214万円の利息を払う。

その借入が、5年間で214万円を超える利益を生むなら、借りていい。

生まないなら、借りてはいけない。

数字は、慰めてはくれない。

だが、判断はさせてくれる。

出典・参考
日本銀行「長・短期プライムレート推移」
日本政策金融公庫「金利情報」
e-Gov 法令検索「貸金業法」
日本貸金業協会「上限金利について」
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
中小企業庁
・利息制限法1条(上限金利)/同7条1項(遅延損害金)/出資法5条2項

相談窓口
金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811/日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051051/警察相談専用電話:#9110

監修:黒岩 智之(くろいわ ともゆき)
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年。地方銀行の融資審査部に9年在籍後、独立。これまで1,200社超の資金繰り相談に対応。建設・運送・医療介護分野の資金調達を専門とする。



目次

    タイトルとURLをコピーしました