即日ファクタリングの実態|銀行15時のカットオフから逆算する「時刻表」

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即日ファクタリングの実態|銀行15時のカットオフから逆算する「時刻表」

公開日 2026年7月13日|最終更新 2026年7月13日
監修:黒岩 智之
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年
元・地方銀行 融資審査部(9年)/相談実績1,200社超
広告(PR)|本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

この記事の結論

  • 「最短30分」「最短2時間」という各社の表記は、審査完了までの時間を指す場合と、着金までの時間を指す場合があります。ここを分解しないまま比べても、意味がありません。
  • 当日に着金するかどうかを最終的に決めるのは、業者のスピードではなく銀行の振込処理の物理的な制約です。従来の銀行振込は、平日15時前後を境に翌営業日扱いになります。
  • ただし2018年10月から稼働しているモアタイムシステムにより、参加金融機関どうしの振込は15時以降や休日でも即時入金されるケースが増えています。自社の受取口座がモアタイムに対応しているかが、当日着金の分かれ目になります。
  • 逆算すると、午前中の申込が現実的なラインです。本記事では時刻表として示しました。
  • 当日着金を落とすのは、たいてい業者のせいではありません。書類不備・通帳3ヶ月分の不足・入金日の未確定・売掛先確認・受取口座の5点です。
  • ※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。

「今日中に、どうしても必要だ」

その状況で、この記事にたどり着いた方が多いはずです。

だから、前置きを短くします。

結論から言えば、当日に着金するかどうかを決めているのは、ファクタリング会社ではありません。

銀行です。

正確には、銀行間の資金決済を担う全銀システムと、あなたの受取口座がある金融機関の処理時間です。

ファクタリング会社が「最短30分で審査完了」と言っても、その30分が午後4時に終わったら、着金は翌営業日になる可能性があります。

物理的な締切があるからです。

この記事では、その締切から逆算します。

何時までに、何を、どこまで揃えておけば、当日に着金し得るのか。

時刻表として示します。

そして、各社が掲げる「最短30分」「最短2時間」という数字が、何の時間を指しているのかを分解します。

この分解ができれば、あなたは広告の数字に振り回されなくなります。

なお、最初に明記しておきます。

※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。

「即日」は保証されるものではありません。

条件が揃ったときに、そうなり得るというだけです。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や、投資・法務・税務に関する助言を行うものではありません。実際のご契約にあたっては、必ず各社の公式サイトおよび契約書面をご確認いただき、必要に応じて弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。掲載している数値・条件は2026年7月時点の公開情報に基づきます。着金時刻は金融機関の処理状況により変動します。

01「即日」という言葉が指しているのは、何時のことなのか

まず、言葉を定義します。

「即日ファクタリング」という検索語を打ち込むとき、あなたが求めているのは何でしょうか。

口座に、今日中に金が入ること。

これ以外にないはずです。

しかし、業者が「即日対応」と書くとき、その意味は必ずしも同じではありません。

分解すると、こうなります。

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「即日」が指しうる工程 意味 あなたにとっての価値
即日回答 申込に対して、その日のうちに何らかの返答がある 金は入らない
即日審査完了 その日のうちに買取可否と金額が確定する 金は入らない
即日契約 その日のうちに契約が成立する 金は入らない
即日振込手続 その日のうちに業者が振込操作を行う 着金は翌日になる可能性がある
即日着金 その日のうちに口座残高が増える これだけが、あなたの求めるもの
※各社の表記が5つのどれを指しているかは、公表情報からは判別できない場合があります。申込時に「着金は何時になりますか」と直接確認してください。
即日という言葉が指しうる5つの工程を段階的に示した図 即日回答、即日審査完了、即日契約、即日振込手続、即日着金という5段階のうち、利用者にとって意味があるのは着金だけであることを示す階層図 「即日」が指しうる5つの工程 ① 即日 回答   「本日中にご連絡します」 残高は増えない ② 即日 審査完了 「本日中に買取可否が出ます」 残高は増えない ③ 即日 契約   「本日中に契約できます」 残高は増えない ④ 即日 振込手続 「本日中に振込操作をします」 翌日着金の可能性あり ⑤ 即日 着金   「本日中に口座残高が増える」 これだけが、あなたの支払いを助ける これを聞く 聞くべき質問は一つ「今日の何時に、私の口座に着金しますか」

図1:「即日」の5段階。①〜③は、あなたの口座残高を1円も動かさない

見ての通り、上の4つは、あなたの資金繰りを1円も助けません

支払いは、口座の残高からしか出ていかないからです。

だから、業者に確認すべき質問は、たった一つです。

「今日、何時までに口座に着金しますか」

「最短30分」ではなく、「何時に入るか」を聞く。

この問いを立てられるかどうかが、分かれ目になります。

「即日」を保証する業者は、なぜ危ないのか

着金のタイミングは、業者だけでは決められません。銀行の処理時間と、審査の結果に左右されるからです。にもかかわらず「必ず今日中に入金します」と言い切る業者は、次のいずれかです。

  • 審査を実質的に行わない(=損失をあなたに押し戻す契約を用意している)
  • 着金と振込操作を、意図的に混同させている
  • 単に、守れない約束をしている

真っ当な業者は、必ず「※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります」という趣旨の注記を添えます。この注記があることは、誠実さの一つの目安になります。

02銀行の物理的限界|15時のカットオフとモアタイムシステム

ここから、仕組みの話をします。

なぜ「15時」なのか。

銀行間の振込は、全国銀行データ通信システム(全銀システム)を通じて処理されます。

このシステムには、稼働時間があります。

コアタイムシステム(従来からの仕組み)

従来、全銀システムの稼働時間は平日の8時30分から15時30分でした。

これを一般に「コアタイム」と呼びます。

この時間帯に処理されなかった振込は、翌営業日の扱いになる。

実務上、各金融機関は自行の受付締切をこれより前に設定しており、窓口・振込の実質的な締切が「15時」として広く認識されてきました。

これが、「銀行は15時まで」という常識の正体です。

そして、金曜日の15時を過ぎると、着金は月曜日になる。

三連休の前なら、火曜日です。

この事実が、資金繰りにおいて決定的に効きます。

モアタイムシステム(2018年10月から)

しかし、話はここで終わりません。

2018年10月、全銀システムにモアタイムシステムが導入されました。

これにより、参加する金融機関どうしの振込であれば、平日15時30分以降、および土日祝日でも、即時に入金されるようになりました。

つまり、「銀行は15時まで」という常識は、条件付きで崩れています。

ただし、注意が必要です。

すべての金融機関がモアタイムに参加しているわけではありません。

また、参加していても、金融機関によってサービス提供時間が異なります。

深夜帯にシステムメンテナンスを行う金融機関もあります。

つまり、振込元の業者の口座と、あなたの受取口座の「両方」がモアタイムに対応していて、かつその時間帯に稼働している必要があります。

片方が非対応なら、15時以降の振込は翌営業日扱いになります。

これが、「当日着金を落とす5つの落とし穴」の5番目です。

全銀システムのコアタイムとモアタイムによる着金タイミングの違いを示した図 平日8時30分から15時30分のコアタイム内は当日着金、それ以降はモアタイム対応行どうしなら即時入金、非対応なら翌営業日扱いになることを示す図 振込が「いつ着金するか」を決めているもの コアタイム(平日 8:30〜15:30) モアタイム(15:30〜/土日祝も) 8:30 15:30 24:00

この時間内に振込処理が完了すれば 当日着金する 金融機関を問わず、原則としてこの結論になる

15:30以降は、条件次第 振込元と受取先の両方が モアタイム対応 → 即時入金 片方でも非対応 → 翌営業日

金曜15:30を過ぎ、非対応行なら、着金は月曜日。三連休の前なら火曜日になる

自社の受取口座がモアタイムに対応しているかを、事前に銀行へ確認しておく

図2:着金の可否を決めるのは業者ではなく、銀行の処理時間である。2018年10月のモアタイム導入で、境界は「条件付き」になった

今日、確認しておくべきこと
  • 自社の事業用口座がある金融機関は、モアタイムシステムに参加しているか
  • 参加している場合、何時から何時まで即時入金に対応しているか(深夜のメンテナンス時間帯を含む)
  • 土日祝日の入金に対応しているか

これは、銀行の窓口かコールセンターに電話すれば、5分で分かります。資金が必要になる前に、確認しておいてください。当日になってから調べるのでは、間に合いません。

03当日着金の時刻表|締切から逆算する

ここが、この記事の中心です。

15時30分(安全を見て15時)という締切から、逆算します。

当日着金を実現するために、何時までに何が終わっていなければならないか。

時刻表にしました。

即日ファクタリングで当日着金するための時刻表タイムライン 前日までの書類準備から、午前9時の申込、10時の書類提出、11時の売掛先確認、13時の審査完了、14時の契約、15時までの振込実行という当日着金の逆算タイムライン 当日着金の時刻表(逆算モデル) ※各社の運用・審査状況・金融機関により変動します。当日着金を保証するものではありません

前日まで|書類を「全部」揃える 請求書/通帳(直近3ヶ月分)/本人確認書類/(個人事業主は確定申告書 or 開業届) 前日

9:00|オンラインで申込を送信する この時点で書類を全部添付する。「あとで送ります」は、その日を捨てるのと同じ 9:00

9:30〜10:30|業者からのヒアリング電話に出る 折り返しを待たせた時間が、そのまま着金の遅れになる。電話を手元に置く 9:30〜

10:30〜12:00|売掛先・債権の確認(審査の本体) ここが最も時間が読めない。書類に不備があると、この工程で止まる 10:30〜

12:00〜13:00|買取金額・手数料の提示 「差引入金額」を数字で確認する。ここで納得できなければ、当日着金は諦める 12:00〜

13:00〜14:00|契約(電子契約なら短縮できる) 契約書を読む時間を、ここで確保する。急かされても、償還請求権の有無だけは確認する 13:00〜

15:00|ここが実質的な締切(コアタイムの壁) この時刻までに業者が振込を実行できれば、当日着金の可能性が高い 15:00

15:30以降|モアタイム対応行どうしなら、なお着金し得る ただし片方でも非対応なら、翌営業日扱いになる 15:30〜

図3:当日着金の時刻表。9時に「全部揃った状態で」申し込むことが、唯一の現実的な戦略である

この時刻表から読み取れることは、一つです。

午後に思い立った時点で、当日着金の可能性は大きく下がります。

14時に「今日中に欲しい」と申し込んでも、審査と契約と振込を1時間で終えるのは、現実的ではありません。

書類がすべて揃っていて、売掛先が既知の優良先で、電話にすぐ出られる。

その条件が揃って、ようやく可能性が出てきます。

だから、朝9時が勝負です

そして、前日までに書類を揃えておくことが、朝9時の申込を可能にします。

この時刻表を、そのまま信じないでください

上の時刻表は、あくまで逆算のモデルです。各社の運用、審査の混雑状況、売掛先の性質、金融機関の処理により、実際の所要時間は大きく変わります。
※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。
使い方は「これに間に合わなければ諦める」ではなく、「各工程がどこで詰まりうるかを知っておく」ことです。詰まる場所を知っていれば、先回りできます。

最短30分での資金化に対応|株式会社No.1
買取手数料0.5%〜15%、買取可能額50万円〜3億円。同社は「最短30分で振込」と公表しています。償還請求権なし(ノンリコース)を明記。東京・名古屋・福岡に拠点を持ち、電子契約で全国に対応。書類が揃っていて、朝のうちに申し込める状況であれば、当日の資金化を検討する余地があります。
手数料 0.5〜15%最短30分振込(同社公表)50万〜3億円電子契約可

無料で買取金額を確認する

※「最短30分」は2026年7月時点の同社公表値です。※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。実際の条件は、債権額・支払サイト・売掛先の信用力により変動し、審査があります。着金時刻は、ご利用の金融機関の処理時間(全銀システムのコアタイム/モアタイムへの対応状況)により変動します。「審査通過率95%以上(2026年4月現在)」は同社の公表値であり、第三者による検証は行われていません。

04「最短30分」「最短2時間」は、何の時間を指しているのか

ここで、広告表記を分解します。

各社が公表している数字を、そのまま並べます。

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会社 公表しているスピード表記 この表記が示していること 確認すべきこと
株式会社No.1 最短30分で振込 「振込」と書かれている。振込操作を指すのか、着金を指すのかは、表記からは断定できない 「30分後に、私の口座の残高が増えていますか」と聞く
QuQuMo online 最短2時間で入金 「入金」と書かれている 2時間の起点が、申込時か、書類が全部揃った時かを聞く
株式会社エーストラスト 最短2時間で送金 「送金」と書かれている。送金と着金は、金融機関によっては同じではない 送金実行の時刻と、着金予定時刻の両方を聞く
※いずれも2026年7月時点の各社公表値です。「最短」は最良のケースを指すものであり、すべての利用者に当てはまるものではありません。実際の所要時間は、書類の充足状況・審査状況・売掛先の性質・金融機関の処理時間により変動します。

重要なのは、どの会社が速いかではありません。

「最短」という言葉が、常に条件付きであるということです。

「最短30分」は、次の条件がすべて揃った場合の話です。

書類が完璧に揃っている。

売掛先が、業者にとって評価しやすい先である。

電話にすぐ出る。

そして、その30分が終わった時刻が、振込可能な時間帯の中にある。

一つでも欠ければ、30分は30分ではなくなります。

良い問い/危険な問い

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危険な問い 良い問い
一番早いのはどこですか 今日の何時に、私の口座に着金しますか
最短30分って本当ですか その30分は、何が起点で、何が終点の30分ですか
今すぐ振り込んでもらえますか 振込を実行するのは何時ですか。私の銀行はモアタイムに対応していますか
審査は緩いですか いま提出した書類で、足りないものはありますか
手数料はいくらですか 差し引いて、私の口座に入るのはいくらですか

右の問いは、すべて時刻と金額という具体的な数字で答えが返ってくる問いです。答えが曖昧なまま契約に進まないでください。

05当日着金を落とす、5つの落とし穴

私が見てきた「当日に入らなかった」事例は、ほぼこの5つに分類できます。

そして、そのほとんどは業者のせいではありません。

利用者側の準備で防げるものです。

当日着金を落とす5つの落とし穴を工程順に示した図 書類不備、通帳3ヶ月分の不足、請求書の入金日未確定、売掛先への確認が取れない、自社の受取口座が対応外という5つの落とし穴を工程順に配置した図 当日着金は、この5か所で落ちる

1 書類不備 「あとで送ります」 =その日を捨てる

2 通帳が足りない 直近3ヶ月分が 標準の要求水準

3 入金日が未確定 請求書に支払期日 が書かれていない

4 確認が取れない 業者からの電話に 出られない/折返し

5 受取口座が対応外 モアタイム非対応 → 翌営業日扱い

これらは、すべて前日までに潰せる

1 → 請求書・通帳・本人確認書類をPDFにして、スマートフォンに保存しておく 2 → ネットバンキングで直近3ヶ月分の入出金明細をダウンロードしておく 3 → 請求書のフォーマットに「入金予定日」欄を作り、売掛先と合意しておく 4 → 申込日は、電話に出られる状態を確保する(会議・現場作業を入れない) 5 → 自社の口座がモアタイムに対応しているか、銀行に電話して確認しておく

図4:5つの落とし穴。いずれも「当日になってから」では手遅れになる項目である

落とし穴は、業者を変えても消えない

「この業者は遅い」と考えて、別の業者に申し込み直す方がいます。しかし、5つの落とし穴のうち4つは、あなたの側の準備で決まります。書類、通帳、請求書、電話への対応。
業者を乗り換えても、同じ場所で止まります。そして、乗り換えるたびに時間を失います。止まっている原因を業者に聞き、そこを直すほうが、ほぼ常に速い。

落とし穴1:書類不備

最も多い。

そして、最も単純です。

「請求書は送りました。通帳はあとで送ります」

この一言で、その日は終わります。

業者は、書類が全部揃うまで審査を始めません。

始められないのです。

通帳がなければ、請求書の裏取りができないからです。

落とし穴2:通帳の直近3ヶ月分が足りない

通帳を「送った」と思っていても、期間が足りないことがあります。

直近3ヶ月分が標準です。

たとえばQuQuMoは、必要書類として請求書と通帳の2点を挙げ、入出金明細は直近3ヶ月分としています(2026年7月時点の同社公表値)。

紙の通帳を写真で撮る場合、記帳が「合計記帳」になっていると、明細が読めません。

その場合は、銀行で取引明細を発行してもらう必要があり、時間を食います。

ネットバンキングから、電子ファイルとして保存しておくのが最も速い。

落とし穴3:請求書の入金日が未確定

請求書に「支払期日」の記載がない。

これは、審査で必ず止まります。

業者は、いつ回収できるかが分からない債権を買えません。

今日から、請求書のフォーマットを変えてください。

「お支払期日:2026年8月31日」

この一行を入れる。

それだけで、次回以降の審査は速くなります。

審査で落ちる理由の全体像は、ファクタリング審査に落ちる12の理由で12項目に分解しました。

落とし穴4:売掛先への確認が取れない

2社間では、原則として売掛先への通知は行われません。

しかし、業者は債権の実在性を確認する必要があります。

そのため、あなたへのヒアリングが入ります。

このとき、あなたが電話に出られないと、審査は止まります。

現場に出ている。

会議中である。

折り返す、と言って夕方になる。

その待ち時間が、そのまま着金の遅れになります。

申込をする日は、電話に出られる状態を確保してください。

落とし穴5:自社の受取口座が対応外

最後は、02章で説明した論点です。

業者が15時20分に振込を実行しても、あなたの銀行がモアタイムに対応していなければ、着金は翌営業日です。

これは、業者にはどうにもできません。

そして、あなたが事前に確認していれば、防げます。

もし非対応であれば、対応している金融機関に事業用口座を作っておく、という手もあります。

資金繰りが逼迫してからでは、口座開設は間に合いません。

平時にやっておくことです。

06前日までに終わらせておく「準備の時刻表」

当日の時刻表は、02章と03章で示しました。

ここでは、その前日までに何を終わらせておくかを書きます。

これが、実は最も重要です。

← 横にスクロールできます →

いつ やること 理由
平時(今日) 自社の口座がモアタイム対応かを銀行に確認する 当日では間に合わない。5分の電話で分かる
平時(今日) 請求書のフォーマットに「入金予定日」欄を作る 入金日の未確定は、審査が止まる最大要因の一つ
平時(今日) 事業用の口座と、生活用の口座を分ける 通帳の入出金が読みやすくなり、審査が速くなる
前日 ネットバンキングで直近3ヶ月分の明細をPDF化する 紙の通帳の撮影は、時間を食い、不鮮明になりやすい
前日 売却する請求書を1枚選ぶ(通帳に入金実績のある売掛先) 新規取引先の初回請求書は、審査が長引く
前日 本人確認書類の写真を撮り直す(鮮明に、四隅まで) 不鮮明な画像は、撮り直しの依頼が来て往復が発生する
前日 翌日の午前中に、電話に出られる時間を確保する ヒアリングの折り返し待ちが、着金の最大のロスになる
当日 8:30 書類を一つのフォルダにまとめる。差引入金額の希望額を決めておく 9時の申込を、迷いなく送信するため
※必要書類は各社により異なります。申込前に、各社の公式サイトで必要書類を確認してください。
当日着金を狙う前日までのセルフ診断チェックリスト モアタイム対応の確認、通帳3ヶ月分のPDF化、請求書の入金予定日、売掛先の入金実績、電話に出られる時間の確保、差引入金額の確認という6項目のチェックリスト 前日までのセルフ診断|6項目すべてに印が付いたら、朝9時に申し込む

自社の受取口座がモアタイムシステムに対応しているか、銀行に確認した

通帳(入出金明細)の直近3ヶ月分を、PDFでダウンロード済みである

売却する請求書に「入金予定日」が明記されている

その売掛先から、過去3ヶ月に通帳への入金実績がある

申込日の午前中、電話に出られる時間を確保してある

「差引入金額はいくらか」を、書面で確認すると決めている

図5:この6項目が揃っていない状態で「今日中に」と言っても、工程はどこかで止まる

個人事業主の方は、加えて確定申告書または開業届が必要になります。

必要書類の揃え方は個人事業主・フリーランスのファクタリングで、請求書・通帳・確定申告書の3点を整合させる方法として書きました。

また、2社間か3社間かによって、所要時間はまったく変わります。

3社間は、売掛先の承諾を取る工程が入るため、当日着金はまず困難です。

2社間と3社間ファクタリングの違いで、時間とコストのトレードオフを整理しました。

「今日でなくてよい」なら、選択肢は一気に増える

支払期限まで数日あるなら、次の順で当たってください。コストがまったく違います。

  • 今週中でよい → 3社間ファクタリング(手数料が大きく下がる傾向)
  • 数週間ある → 信用保証協会付き融資、銀行への相談
  • 1〜2ヶ月ある → 日本政策金融公庫、セーフティネット貸付
  • 税金・社会保険料の支払い → 納期限前に、換価の猶予・分納を相談する

「今日」を選ぶことのコストを、正確に把握したうえで選んでください。

07急ぐことの代償を、数字で見る

最後に、これを書かないと、この記事は不誠実になります。

急ぐことには、代償があります。

ファクタリングの手数料は、金利ではありません。

債権の売買であり、貸付けではないため、利息制限法・出資法の上限金利は直接には適用されません。

しかし、他の資金調達手段とコストを比べるための物差しとして、年率に換算してみることには意味があります。

額面100万円、支払サイト30日、手数料10%のケースを考えます。

このとき、年率換算すると約135%相当の負担になります。

※単利・365日ベースの概算です。ファクタリング手数料は金利ではないため、これは比較のための参考値です。

一方、ビジネスローンの上限は、概ね年18.0%程度です。

日本政策金融公庫なら、年2.2%〜3.4%(無担保・2026年7月時点)。

桁が違います。

調達スピードとコストのトレードオフを示した2軸マップ 日本政策金融公庫は低コストだが時間がかかり、ファクタリングは速いがコストが高いという、スピードとコストの交換関係を示した図 速さは、コストで買っている 調達までの時間 →(速い ← → 遅い) コスト(高い ↑)

ファクタリング(2社間) 最短当日/手数料 5〜15%程度 年率換算で3桁になり得る

ファクタリング(3社間) 数日/手数料 1〜5%程度

ビジネスローン 即日〜数日/年3.0〜18.0%

日本政策金融公庫 数週間〜/年3.50〜5.20%

図6:時間とコストは交換関係にある。「今日必要」でないなら、公的支援を先に当たるべきである

この図を見て、こう考えてください。

本当に、今日でなければならないのか。

支払いが今週末なら、3社間ファクタリングという選択肢が生まれます。

来月なら、公的支援や銀行融資が射程に入ります。

「即日」を選ぶということは、コストで時間を買うということです。

その買い物が必要な場面は、確かにあります。

手形の決済、給料日、税金の納期限。

落とせば会社が終わる支払いなら、コストを払ってでも間に合わせる判断は、経営として正しい。

しかし、「なんとなく不安だから早く欲しい」で急ぐのは、高い買い物です。

コストの実額比較は、ファクタリングとビジネスローンの違い|同じ100万円でもコストは10倍変わるで同一条件の計算として示しました。

支払サイト別の年率換算表はファクタリング手数料の相場と実質年率換算表にあります。

そして、融資の側で「即日」を探す場合には、まったく別の危険があります。

即日融資のビジネスローン|「審査なし」「ブラックOK」が違法である法的理由で、広告文言から違法業者を判別する方法を書きました。

急いでいるときこそ、この記事を読んでから動いてください。

どの会社を選ぶかは、ファクタリング会社の選び方|悪質業者を見抜く15のチェックリストの15項目で判断できます。

完全オンライン完結・面談不要|QuQuMo online
手数料1%〜(上限の記載なし)。同社は「最短2時間で入金」と公表しています。必要書類は請求書と通帳の2点+代表者本人確認書類のみ。入出金明細は直近3ヶ月分。法人・個人事業主のいずれも対象で、クラウドサインによる電子契約のため面談は不要です。書類が少ないことは、そのまま工程の短さにつながります。償還請求権なし(ノンリコース)を明記。
手数料 1%〜最短2時間で入金(同社公表)請求書と通帳の2点面談不要法人・個人事業主可

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※「最短2時間」は2026年7月時点の同社公表値です。※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。手数料は「1%〜」と表記されており、上限の記載はありません。実際の手数料は、債権額・支払サイト・売掛先の信用力により変動し、審査があります。着金時刻は、ご利用の金融機関の処理時間により変動します。運営は株式会社アクティブサポート。

FAQよくある質問

午後に申し込んでも、即日で入金されますか?
条件次第です。従来の銀行振込は、全銀システムのコアタイム(平日8時30分〜15時30分)を過ぎると翌営業日扱いになります。ただし2018年10月から稼働しているモアタイムシステムにより、振込元と受取先の両方の金融機関が対応していれば、15時30分以降でも即時入金されるケースがあります。まず自社の口座がモアタイムに対応しているかを、銀行に確認してください。※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。確実性を求めるなら、午前中の申込を前提にしてください。
「最短30分」と書いてあれば、30分後に着金しますか?
「最短」は、条件がすべて揃った最良のケースを指す表記です。書類が完全に揃っている、売掛先が評価しやすい、電話にすぐ出られる、そして振込可能な時間帯である。これらが揃って初めて成立します。また、その30分が「審査完了まで」なのか「振込操作まで」なのか「着金まで」なのかは、表記からは断定できません。申込時に「今日の何時に、私の口座に着金しますか」と、時刻で聞いてください。
土日でもファクタリングは使えますか?
申込の受付や審査を土日に行う会社はあります。ただし着金については、振込元と受取先の両方の金融機関がモアタイムシステムに対応している必要があります。対応していない場合、着金は翌営業日(月曜日)になります。また、売掛先への確認が必要になる場面では、売掛先が休業しているため確認が取れず、審査が翌営業日まで進まないことがあります。土日の資金化を前提にした計画は、避けてください。
3社間ファクタリングでも即日は可能ですか?
現実的には困難です。3社間では、売掛先への通知または承諾を取る工程が必要になります。売掛先の担当者が不在であったり、社内の承認手続きに時間がかかったりすれば、その分だけ着金は後ろにずれます。一方で、3社間は手数料が大きく下がる傾向があります。時間とコストは交換関係にあると理解し、支払期限から逆算して選んでください。今日でなくてよいなら、3社間を検討する価値があります。
当日着金を優先すると、手数料は高くなりますか?
一般に、2社間・オンライン完結・当日着金という条件は、業者にとってリスクと事務負担が大きくなるため、手数料は高くなる傾向があります。「速さ」は、コストで買っているという構造です。ただし、手数料が異常に高い場合は、単に割高だという話では済みません。金融庁は「買取代金が債権額に比べて著しく低額であるケース」を偽装ファクタリングの疑いがあるとしています。急いでいるときこそ、差引入金額を書面で確認してください。
当日着金が間に合わなかった場合、支払いを落とさないためにできることは?
まず、支払先に連絡してください。事前に一報を入れるかどうかで、その後の関係が大きく変わります。次に、銀行の当座貸越枠、既存の融資枠、クレジットカードの支払期日の確認など、手元にある手段を洗い出してください。税金や社会保険料であれば、換価の猶予や分納という制度があります。納期限を過ぎる前に相談すれば、選択肢は広がります。そして、この事態を繰り返さないために、資金繰り表を日次で作ることを強くお勧めします。

まとめ

即日ファクタリングの可否を決めているのは、業者ではありません。

銀行の処理時間です。

従来のコアタイムは平日8時30分から15時30分。

2018年10月に導入されたモアタイムシステムにより、対応する金融機関どうしなら、それ以降や休日でも即時入金され得ます。

しかし、片方でも非対応なら、翌営業日扱いです。

だから、まず自社の口座がモアタイムに対応しているかを確認してください。

そのうえで、朝9時に、書類を全部揃えた状態で申し込む。

これが、当日着金への唯一の現実的な戦略です。

「最短30分」「最短2時間」という数字は、条件が揃ったときの最良のケースです。

聞くべきことは、「一番早いのはどこか」ではありません。

「今日の何時に、私の口座に着金しますか」

この一問です。

そして、最後にもう一度。

※お申込み時間帯・審査状況により、翌営業日以降となる場合があります。

急ぐことには、コストが伴います。

今日でなくてよいなら、そのコストは払わなくて済みます。

監修:黒岩 智之(くろいわ ともゆき)
事業再生コンサルタント/中小企業の資金調達支援18年。地方銀行の融資審査部に9年在籍後、独立。これまで1,200社超の資金繰り相談に対応。建設・運送・医療介護分野の資金調達を専門とする。
出典・参考
金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)(全銀システム・モアタイムシステムの概要)
日本政策金融公庫「金利情報」
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
・各社の条件・スピード表記は2026年7月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。
・本記事の時刻表は逆算のモデルであり、実際の所要時間・着金時刻を保証するものではありません。

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